2010.06.28 歳時記 風のたより
『タッキー816みのおエフエム』 (周波数81.6)
モーニング・タッキー「風のたより」で放送されます。
箕面の山パトロール隊 渓川 清の報告です。

幻のごと落ち梅雨の俄滝 岩崎緑雨
雨が続く箕面の里山。
夏至から、一週間余りが経ちました。
梅雨晴れの空に、山道へと踏み込むとしても、
雨具だけは忘れることができません。
陽射しがいつの間にか薄くなり、案の定、ぱらぱらと梢の間から、
雨粒が落ちてきます。
陽射しに温められた森を雨が湿らせると、水の匂い、
いや、きっと緑の匂いが、山道いっぱいに拡がります。
梅雨深し緑の卵孵りさう 吉田昌三
水溜りができた森の木の上には、大きな白い泡の塊を
見ることができます。モリアオガエルの卵ですね。
樹上で孵化したオタマジャクシは、やがて、
丁度その下の地面にある水溜りに、ぽとぽとと落ちていきます。
それにしても、なぜ、お母さん蛙は、
そこに水溜りができることを知っているのでしょう。
理屈を捏ねまわすより、自然の神秘に素直に驚くほうが、
よほど大切なことかもしれませんね。
青葉木菟木椅子を森の中ほどに 井上雪
さて、今年も、アオバズクが、箕面の里山に還ってきました。
毎年、きちんと同じ木の、同じ場所に戻ってくるんです。
おかしな理屈を捏ねまわすことなく、
これも素直に感動すべきでしょうね。
アオバズクは、大きな木の洞を棲みかとします。
年々、洞ができるような大木が減っている中、
こうやって戻って来てくれるのは、とてもうれしいものです。
それに、フクロウの仲間は、両目が正面を向いているので、
まるで人の顔のように見えてしまいます。
親しみが一層湧いてくるのは、この顔だちにもあるのでしょうね。
こくげんをたがへず夜々の青葉木菟 飯田蛇笏
滝道では、箕面の山を潤した水が、渓谷に流れ込み、
清々しい瀬音を響かせています。
学名では、水の花とされる紫陽花が、雨にうたれ、
谷の流れとともに、更に瑞々しさを増しています。
溢れた水は、いくつもの小さな滝となって、
山肌を流れ落ち、緑の中に溶け込んでいます。
夜半の月出水の瀬音遠からず 水原秋櫻子
梅雨晴れ間の箕面の里山。
- 2010.06.29 Tuesday
- 風のたより
- 22:35
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- by 箕面の山パトロール隊
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