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2013.02.07 【歳時記】 風のたより 「立春」

            風…感じていますか   
      今朝…足元に咲いている花に気がつきましたか
        流れる時の中…ちょっと立ち止ってみませんか

 
        風のたよりは、毎週木曜日の朝10時50分から
          タッキー816みのおエフエム』(81.6MHz)で放送しています。
    (インターネットでもお聞きいただけます。
                こちらから→http://fm.minoh.net/)


                       

                        雨の中に立春大吉の光あり  高浜虚子 


春を迎えた箕面の里山。
立春は、雨ではじまりました。
やや強めの雨に、春の兆しが感じられます。
地方によっては、「立春大吉」の御札を貼るようです。
一年のうちで、もっとも寒さ厳しき時季に春立つ日を迎えます。
つまり、これからの時季は、
だんだんと寒さが弱まって来るということですね。
雨上がり、鵯(ひよどり)が飛び交う空に、
早春の光が射していました。



さて、立春に先立つ「節分」には、
箕面でも「節分会」が行なわれていました。




聖徳太子所縁の「帝釈寺」では山伏が山門での問答を経て、
お寺の境内に入りました。




箕面の山は、役の行者が開山した
修験の道場でもあります。
開山から、実に千三百年になります。





山伏が、櫓に火を入れると、
もくもくと煙が立ち昇りました。
やがて、真っ赤な焔に変わりました。




燃え上がる焔の中、
「邪霊災厄」が追い払われるのですね。

追儺が執り行われた里山は、
翌日に春を迎えることとなります。




帝釈寺の境内には、
たくさんの参拝者が訪れ、
火と煙の中で、
今年も、安穏で健やかなることを願い
手を合わせていました。



                          川下へ光る川面や春立ちぬ  高浜年尾



勝尾寺川の小径を歩いていると、番の鴨が目に留まりました。
二羽が川面に浮かび、流れに身をまかせています。


<小鴨♀>

小さな鴨だなと思って、よく見ると、「小鴨」でした。
真鴨は、わりとよく目にしますが、

小鴨とは・・・
珍しいです。

冬の終わりから春先に掛けて、
番となって、北国へ帰って行きます。
きっと、いい相手に巡り合ったんですね。

里山は、十日に旧正月を迎えます。

まだ春浅き箕面の里山。
皆さまも、ぜひお出かけ下さい。


<小鴨の番>

<小鴨♀>

<小鴨♂>


2013.01.31 【歳時記】 風のたより

             風…感じていますか
       今朝…足元に咲いている花に気がつきましたか
       流れる時の中…ちょっと立ち止ってみませんか
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たまさかの雪なり出でて髪ぬらす  桂信子


たまさかの雪が薄っすらと積もった箕面の里山。
夕方から降りはじめた雪は、あっという間に里山を白く染めてゆきました。
慌てて家路を急ぐ間に、足元が滑るほどに積んでいましたね。
その雪は、里山に朝まで残り、畠の大根の葉をふんわりと包んでいました。



通り掛かりの木の枝に、冷たい雪にかかわらず、
あったかそうな木の芽をみつけました。
辛夷の芽ですね。
毛皮の外套にくるまれて、静かに雪景色を楽しんでいるかのようです。
日に日に蕾らみながら、春を待っているのですね。

瀧道の橋の袂では、三椏の蕾もふくらんでいました。
里山は、少しづつ、春の兆しを告げています。





冬の雲ひそかに藍を刷きにけり  久保田万太郎


冷たい風、それでも心地良い風の中、
西江寺の山道を登ると、ぱぁーと視界が開けます。
澄んだ冬の大気のその向こうを、ずっと遠くまで見渡せました。
ゆっくりと流れる雲のあとには、藍色の空が、広がっていました。
どこまでも美しい冬の空です。




池の鴨空なる声をさそふかな  星布女


瀧道を歩いていると、四羽の鴨が、流れる水に身をまかせていました。
水の流れにあらがうこともなく、浮いています。
きれいな緑色の雄は一羽。雌が三羽です。
真鴨にとっては、番いの相手を決める大事な時季でもあります。



林の中で、薄緑色の小さな袋を見つけました。
うすたび蛾の繭です。
うすたび蛾は、山繭蛾の仲間・・・
絹を引きながら薄緑色の繭を作るんです。

来週には春を迎える箕面の里山。
皆さまも、ぜひお出かけ下さい。

文・渓川清


2013.01.24 【歳時記】 風のたより

             風…感じていますか
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       大寒の入り日野の池を見失ふ  水原秋櫻子


大寒に入った箕面の里山。  
勝尾寺参道上池では、大寒の入り日が、 森の木々を水面に映し、  
幻想的な情景でした。

もっとも寒さが厳しい時とされていますが、
ここ二三日は、寒さも和らいでいますね。

梅や水仙などの花が綻びはじめ、 春近きことを感じる時期でもあります。


       谷水を撒きてしづむるとんどかな  芝不器男


勝尾寺川の川原では、「とんど」が焚かれ、 残り火の煙が燻ぶっていました。
本来「とんど」は、一月十五日の小正月にとり行なわれる火祭りです。
近頃は、日にちを替えて休日に行なうところも多いようです。


<とんどの焚火跡>

里山では、竹で櫓を組み、火を放ちます。
門松や注連縄など、正月の飾り物を火に焼べ、 無病息災、五穀豊穣を祈ります。

「正月」を、その年の最初の満月の日とした風習もあり、
慣習として一月十五日を 小正月としてきました。
今年は、最初の満月の日は、新暦一月廿七日、
節分の後では、二月の廿六日となります。


       赤き実を咥え一月の鳥日和  阿部みどり女


冬は、葉を落した樹木の向こうに、 鳥の姿を、よく目にします。
この日も、勝尾寺参道で、尉鶲(じょうびたき)と出会いました。
人が居ても、さほど怖れることがなく、 わりと近づくことができます。


<尉鶲>

灰色の帽子に、黒い仮面、白い斑点の 印の入った紋付を着ています。
鶲(ひたき)の中の鶲、 まさしく「尉」鶲ですね。
別名も、「紋付鳥」・・・

遠く北の国からやって来て、 この国で冬を過ごします。
里山や平地で冬越しをするので、 人家の周りでも、目にすることが多い鳥です。


<背黒鶺鴒>

勝尾寺川では、背黒鶺鴒(せぐろせきれい)が、浅瀬を行ったり来たりしてました。
水辺を好む鳥で、一年を通して、 川辺で、よく見かけます。
「じっじっ」と鳴き声を上げて、 飛んで行きました。


<小鷺>

少し上流の方では、小鷺を見かけました。
川の流れをじっと見つめて、 獲物を探し当てると、
嘴を素早く水中に突っ込みます。
冬ざれの川原の色彩に、 小鷺の白い色が、 くっきりと浮かび上がっていました。

さて、廿四日は初地蔵・・・ 今年初めの、お地蔵さまの御縁日となります。
冬深む箕面の里山。
皆さまも、ぜひお出かけ下さい。


<臘梅>

<尉鶲>

<目白>

<頬白>

<灸花の実>

<腹広蟷螂>


2013.01.17 【歳時記】 風のたより

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-   「臘梅」                                

           
    松すぎのはやくも今日といふ日かな  久保田万太郎


松明けとなった箕面の里山。
この時季は「小正月」として、
嘗ては、餅や団子を作りお祝いを していました。

一日の「男正月」に対して、 「女正月」とも云い、
多忙な松の内が終わり、
女性たちが、ほっと一息できる数日でも ありました。


           芝居見に妻出してやる女正月  志摩芳次郎


小正月を過ぎれば、もう節分も間近・・・
里山では、そろそろ早春の息吹も 感じられる頃です。


           静けしや臘梅の香のほのかなる  涼


先週までは、まだ水玉のような蕾だった 臘梅が
六分咲きくらいになっていました。

   「臘梅」                             

開いた花の、二つ三つを、 丸い蕾が取り囲んでいます。
あたかも生け花のように、 美しく調和しています。

近づくほどに漂うかすかな芳香・・・
暦の上では、 旧暦の十二月に入ったばかり・・・

十二月は「臘月」とも云われ、
臘月に咲くので「臘梅」とよばれます。
臘梅が花開くと、間もなく旧暦の正月、
つまり「春」近きことを告げているのですね。

   「榛の木」                                

勝尾寺参道では、春の季語「榛の木」の花も、
枝先に連なって、たくさん揺れてましたよ。

田んぼの中から、 勢いよく飛び出した小鳥が、
生垣に留まりました。
目を凝らすと「頬白」です。

   「頬白」                                

この頬白も、春の季語なんです。
身の回りに、ごくごく普通にある自然・・・
時には、耳を澄まし、ゆっくりと見つめ、
そして、その香りや風の流れに、
身を委ねてみることも大切かもしれませんね。


     地震あと春待つ顔を上げにけり  桂信子


大きな地震が起こる前に、自然の気配が、
いつもとは何か違ったという云い伝えが、
古くより語られてきました。

たとえば、 身近には、犬や猫が、そわそわしていた、
或いは、じっとして動かなかった、

雉がけたたましく何度も鳴いた、
烏の様子が、いつになく変だった、

冬なのに、蛇が這い出してきた、
みみずが、たくさん出てきた、

山鳴りや地鳴りのような音が続いていた、
月が異常に赤くなっていた、 などなど・・・

自然は、私たちに、 いつも何かを語りかけてくれています。

晩冬の箕面の里山。
皆さまも、ぜひお出かけ下さい。


「榛の木」


「美男葛」

鵯上戸」

「枇杷の花」

「瓢箪」

「白腹」

「軽鴨」


2013.01.10 【歳時記】 風のたより

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ひびきあふいろのびやかに初御空  伊藤敬子

あらたな年を迎えた箕面の里山。
初御空は、どこまでも青く広がっていました。
風緩く、 木の葉の擦れ合う音も聞こえません。

この静けさは・・・
鳥の声さえ、 ほとんどないことに気付きました。
初晴の中、静かに静かに 里山の年が明けました。


楪(ゆずりは)に日和の山を重ねけり  大峯あきら


麓の楪の葉っぱの根元が、より一層赤く見えます。
新しい葉っぱが開いてから、 古い葉っぱは落ちてゆきます。
新しい葉っぱに代を譲ることから、
「譲り葉」と呼ばれてきました。

代々相続の「瑞相」として、 お正月の飾りにも使われます。
里山では、 薬草としてお肌の病に用いてもいたようです。

代々を継ぐお正月の縁起物といえば、 橙もそうですね。
橙の皮が、 お正月の頃には黄金色を帯びてくることから、
代々栄えるという縁起となったようです。
橙は、古く中国から伝来したようです。
里山では、咳が止まらない時などに、
薬草として利用したようです。

静かな新春・・・
山も森閑とした静けさでした。
時が、今止まっているような静寂、 そんな感じでした。

勝尾寺参道の上池には、 一面に氷がはり、
うっすらと樹木の影が、 その上に落ちていました。




うらじろの反りてかすかに山の声  高橋武義


参道の途中には、 たくさんのうらじろが生い茂っています。
これも、 お正月の縁起物ですね。
葉っぱの表面は、きれいな緑ですが、
葉っぱの裏側は、白い色をしています。

夫婦が白髪になっても、 お互い仲良く暮らせるように、
そして、 葉っぱが左右対称であることから、
夫婦和合の願いも込められています。


臘梅の香の一歩づつありそめし  稲畑汀子


暦の上では、 ようやく旧暦の十二月になろうとするところです。
旧暦の十二月は、別名「臘月」・・・
里山では、臘梅の花が開き、 その微かな芳香が漂いはじめました。

初春の箕面の里山。
皆さまも、ぜひお出かけ下さい。


2012.12.27 【歳時記】 風のたより

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年の瀬の日の移りゆく雑木山  鈴木六林男





年の瀬を迎えた箕面の里山。


落葉樹は、ほぼ葉っぱを落し、


雑木林には冬の光景が拡がっています。



山道も、林の中も、落ち葉、落ち葉、

そして落ち葉・・・



足元に、

ややふんわりとした感触を得ながら


歩みを進めます。





大空に伸び傾ける冬木かな  高浜虚子





葉の茂みが消えて、

ぽっかりとした空間が拡がる森の道。


すうぅっと、大空に付き出す枝が、


いくつも、いくつも交錯しながら、


空に向かって伸びています。



その隙間から流れ寄る冷たい風が

頬を撫でる時、


なんともいえぬ心地良さに包まれます。


木々の間から、冬の陽が洩れて、


明るい山道となっています。



葉を落した枝に、野鳥が留まり、


その姿を、はっきりと見ることができるのも、


今の季節ならではですね。



時折、「から」が群れをなしてやってきます。


というよりも、代わる代わるやってきます。



黒い帽子に、

淡い緑色をあしらったコートを羽織り、


ネクタイをしているのは「四十雀」。


黒い襟巻もしているので、


白いほっぺが、よく目立ちます。



同じく黒い帽子に、灰色のコート、


茶色のセーターを着ているのは、

「山雀」ですね。



赤みを帯びた白いコートに、


黒い襟巻を巻いているのは、「柄長」。


長い尾羽のモーニングコートがお洒落です。



黄緑色のセーターを着て、


なにやら木の実を突いているのは、「目白」。



縞模様の茶色のマントを羽織った

小啄木鳥(こげら)も、


この群れに紛れ込み、

コツコツと木の幹を突いています。



次から次にやって来る「から」の群れに


足を止めて見入っていると、


つい寒ささえ忘れてしまいます。





風呂敷の紺を匂はす冬木立  桂信子





森に佇み、木々の情景を眺め、ずっと向こうの山肌を見ると、


蒼くくすんだ色を感じさせます。





午過ぎて枯木の色となりにけり  加藤楸邨





そして、日が傾くと、枯木の山は色を変えてゆきます。



年の瀬、冬木立ちの箕面の里山。


皆さまも、ぜひお出かけ下さい。



みのお市民ツリー (箕面山麓大ツリー)


2012.12.20 【歳時記】 風のたより

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<実葛>


さまざまの赤き実のある十二月  森澄雄


さまざまの赤い実が目に留まる箕面の里山。
「実りの冬」も、また然りです。

山道を歩くと、「実葛(さねかずら)」の蔓が、
たくさんの赤い実をつけて、 風に揺れています。
その樹液で、髪の毛を整えたことから、
別名「美男葛」。

朱色も混じる、一粒づつの実をつけた蔓は、
「鵯上戸(ひよどりじょうご)」ですね。
この実を、鵯が好むことからの 由来のようです。

生垣の隅で、いくつかの赤い実が、
下向きに下がっているのは 「万両」、
やや朱色の実が、上向きについているのは、「千両」。
万両の方が、千両より重たいからとか・・・


<黒鉄黐>

緑の葉っぱの間に、 たくさんの赤い実をのぞかせている木は、
「黒鉄黐(くろがねもち)」。
古くは、この木から 「鳥もち」をとっていたことから、
そう呼ばれています。

そして、生垣や藪の「南天」の実も、
その葉っぱとともに、赤く染まっています。
古く中国より伝わったとも云われていますが、
広く分布していて諸説あるようです。
この南天、生薬名を「南天実」といい、
里山の薬草として、 いろいろな病に使われてきました。


<南天>

とくに冬の木の実であることから、
風邪や身体が弱った時、 頭が痛い時などに利用されました。

また、毒消しの効能もあるようで、
魚の毒にあたった時などは、 その葉っぱを服用したようです。
毒消しとして、お赤飯の上に置くのは、 そのためですね。


         御狩する 雁羽の小野の櫟柴の

                             なれはまさらず恋こそまされ  

                                                   詠み人知らず 万葉集

もみじ散り、そして森には、 小楢の渋みある黄葉が広がっています。
小楢の林を歩いていると、 かさっ、こそっと、
葉っぱが地面に落ちる音が聞こえます。
一枚一枚の葉っぱが降り積もり、
小楢の山道は、ふわっと絨毯のようです。


<小楢の小径>

小楢のどんぐりは、 水に晒して渋を抜くようですが、
草木の灰を使って、 渋を抜いてもいたようです。


冬茜さして冬至のうかびけり  福田甲子雄


「冬至」を迎える箕面の里山。
皆さまも、ぜひお出かけ下さい。
 

<小楢の山>

<烏瓜>

<榊>

<鼠黐>


2012.12.13 【歳時記】 風のたより

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みなれたる山のふところ十二月  岡井省ニ


十二月も、半ばとなった箕面の里山。
もみじも散り、葉を落した樹が、目立つようになりました。

いま山肌に残る黄葉・・・
小楢の葉っぱが、だんだんとその色を濃くしています。

先週の「大雪」の翌日には、
政の茶屋でも、ほんのちらりと初雪を見ることができました。


<小楢>


風といふもの美しき落葉かな  小杉余子


風もすっかりと冷たくなりました。
ちょっとした日溜りに、ほっとする季節です。
落ち葉積む山道は、絨毯のように柔らかく、
葉を落した木々の枝から、冬日がこぼれはじめています。

ゆっくりと空を舞う鳥の姿が、くっきりと見えるほど、
澄みきった冬空が広がっています。


巻き直すマフラーに日の温みあり  岡本眸


勝尾寺参道では、目の前に、尉鶲(じょうびたき)が、
飛んできました。
白い斑点の紋付を着た凛々しい姿です。
別名も、「紋付鳥」・・・
寒さとともに、里山にやってきます。


<尉鶲>

「ひたき」は、火打石を打つような鳴き声であるところからの
命名とも云われています。


  名にしおはば逢坂山のさねかづら

    人に知られでくるよしもがな  三条右大臣 後撰集


山道の途中で、たくさんの赤い実が、
葡萄のように、風に揺れていました。
実葛(さねかづら)ですね。
果実の「実」や「種」のことを、
古くより「さな」、「さね」と云い、
実がたくさんつくことから、「実葛」と云われたようです。


<実葛>

この実蔓、もう一つの呼び名があります。
その名も「美男葛」・・・
その昔は、この葛の樹液で、髪の毛を整えていました。
まさしく「美男子」になるという意味です。

実蔓の生薬名は、「南五味子」・・・
里山では、咳が出る時や、身体が弱った時の薬草でもありました。


 あしひきの山さな葛もみつまで

     妹に逢はずや我が恋ひ居らむ  詠み人知らず 万葉集


冷たい風が頬に心地良い箕面の里山。
皆さまも、ぜひお出かけ下さい。


<楝(あふち)/せんだん>

<楝の実>

<枇杷の花>
 


2012.12.06 【歳時記】 風のたより・・・時雨

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降りいでて落ち葉をさそふ山の雨  西島麦南


もみじ色の山肌から、 日に日に色が薄れていく箕面の里山。
陽が射したかなと思うと、 また時雨がやって来ます。
時折、冷たく時雨れる山道・・・
その雨も、強かったり弱かったり、糠雨だったり・・・

ひとしきり降るのが「村時雨」。
風を伴って斜めに降る「横時雨」。
晴れているのに降ってくる「片時雨」。

時雨は、前触れもなく、いつの間にか降ってきます。

色染めを極めた葉っぱが、
時雨にうたれ、 一枚そして一枚と、舞い落ちていきます。



そう、陰暦十月は、別名「時雨月」・・・
せっかくの紅葉が、 散ってしまうのは心残りです。
でも、古より時雨れるこの時季、
色とりどりに散り敷く落ち葉も、 また、大いなる楽しみでもあります。


冬紅葉しづかに人を歩むましむ  富安風生


静かに静かに、 落ち葉踏む音を聞きながら歩く山道では、
まだまだ、残る紅葉も楽しめます。
この時季だからこそ、 落ち葉が織りなす山道と、
枯れ枝越しに淡い光を帯びた紅葉を、
ともに見ることができるのですね。

葉が落ちた落葉樹の隙間から、
赤や黄の紅葉の重なりが透けて、
水彩画のように、その色が浮かんでいます。




冬紅葉 冬のひかりを あつめけり  久保田万太郎


雲隣展望所路では、 薄らいだ紅葉の、
素晴らしい光の彩に 出会うことができました。
斜面に積み重なる落ち葉の絨毯も見事です。

才ヶ原林道では、小紫が飾ったように、 枝先に実をつけていました。
鷹の爪の落ち葉が重なるところでは、
辺り一面、甘い芳香に包まれています。




瀧道では、山茶花の花が、数を増しています。
白い花あり、薄紅色の花あり、
はらりと、一枚づつ、花びらを路上に落しています。

青木の実も、赤くなりはじめています。
来月には、真っ赤になっていることでしょう。

お猿さんが、もみじの枝の上で、
何かを見つけては口に入れてました。
もみじの葉っぱは、やはり美味しいのかもしれませんね。

里の小鳥も群れを為すようになりました。
黒いネクタイの四十雀がたくさんやって来た後には、
目白が、そして、こげらもやって来ました。


山茶花の長き盛りのはじまりぬ  富安風生


もみじ散り敷く箕面の里山。
皆さまも、ぜひお出かけ下さい。









<小紫>


2012.11.29 【歳時記】 風のたより・・・冬紅葉

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もみぢ散る森の頁を開くとき  涼


紅葉が山肌を染める箕面の里山。
もみじも楓も小楢も櫨も、
そして雑木林も、いっせいにその色を深めました。

時雨と冬の柔らかな陽射しが、
日一日と、落葉樹の色を、 染め上げているのですね。

そう、誰かが言ってました・・・ まるで絵本のようだと・・・
でも、それは、おそらく人には描くことができない色でしょう。




揉み出づる楓の色香冬日射す  涼


「もみぢ」とは、紅花を揉んで、 色を染め出すこと・・・
万葉の昔は、紅花だけではなく、 いろんな草木を揉みだして、
染物をしていました。
きっと、この山肌のように、野山にある色を絞り出して、
衣を染めていたはず・・・

紅い色だけではなく、 色とりどりの紅葉が、
艶やかに馴染んでいる様を、
「もみぢ」と 言い表したのではないでしょうか。




   山ふかみ窓のつれづれとふものは

        色づきそむるはじの立ち枝 西行


西江寺山路では、 櫨が真っ赤に紅葉した葉っぱを散らすことなく、
いっぱいに枝を 拡げていました。

 

   時雨の雨間なくな降りそ紅に

        にほへる山の散らまく惜しも

                詠み人知らず 万葉集


望海展望所への路には、 鷹の爪の葉っぱが、 たくさん落ちていました。
なんともいえない甘い香り・・・ 落ち葉の季節の森の香りです。


鷹の爪香りて山路冬はじめ  涼




<鷹の爪>

時折、降りおちる時雨や冷たい風・・・
そして、すでに散りはじめたもみじ・・・

秋の季節が残していった錦の紋様に、
ただ名残惜しさを感じいるばかりです。

木の葉のもみじ、舞うもみじ、 落ち葉がつくるもみじの織物・・・


冬に入りて「もみじ且つ散る」箕面の里山。
皆さまも、ぜひお出かけ下さい。



















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