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2018.04.30【歳時記】〜風のたより〜 藤散りて・・・

 

風・・・感じていますか
足元に咲いている花に気がつきましたか
流れる時の中

ちょっと立ち止ってみませんか

 

 

 

 

 

                             野の路に藤散りこぼれ季移る    

 

山道にこぼれて散りし薄紫の花びら。

見上げると、陽の光がまぶしく顔を照らします。

その陽ざしを浴びて、薄紫より、もっと薄い花房が

いくつもいくつも木の間に揺れています。

 

四月も終わるこの日、散りゆく藤は、

春の終わりを告げているのでしょうか。

それとも、夏のはじまりを告げているのでしょうか。

 

 

夏の暑さにも似た日中の気温。

やわらかな冷たさをを伴った春風が懐かしいほどです。

まさに「春惜しむ」ですね。

 

 

                 藤波の咲きゆく見れば霍公鳥鳴くべく時に近づきにけり   田辺福麻呂

 

 

この里山では、まだ霍公鳥の声は聞こえてきません。

やはり、万葉の歌人たちは、藤が散るのを惜しみながら、

季は夏に迫っていると感じていたのでしょうか。

 

 

                 藤波の茂りは過ぎぬあしひきの山霍公鳥などか来鳴かぬ  久米広縄

 

 

藤の花が散る、ちょうどその頃に、いにしえの都にも、霍公鳥がやって来たんですね。

そして、霍公鳥の歌声を楽しみしていたのですね。

 

 

 

 

                  春日野の藤は散りにて何をかもみ狩りの人の折りてかざさむ    詠人知らず

 

藤の花が散ると、たしかに里山では目立つような花がとぎれてしまいます。

手折って飾りにする花も、なくなってしまいますね。

 

 

いま、山道のところどころに、ほのかな甘い香りが漂っています。

定家蔓の花も満開でしたよ。

やがて、初夏を迎える箕面の里山。

みなさまも、ぜひお出かけ下さい。

 

文・写真 渓川 清

 



2018.03.31 歳時記〜風のたより〜薄紅の霞

 

風・・・感じていますか
足元に咲いている花に気がつきましたか
流れる時の中

ちょっと立ち止ってみませんか  

 

 

 

 

 

             花開く箕面の山の麗しき 涼

 

 

ここへきて、箕面の山の桜は、どこもかしこも満開となりました。

 

 

 

                             

                                      見渡せば春日の野辺に霞立ち

                                  咲きにほへるは桜花かも     詠人しらず

 

 

百年橋、大日では、薄紅の霞のように山肌を埋め尽くす 

満開の江戸彼岸と山桜の群落が、

いまにも崩れ落ちてきそうなほどの見事さです。

 

 

 

 

                                      あしひきの山桜花日並べて

                                                    かく咲きたらばいと恋めやも      山部宿禰赤人

 

 

斜面を埋め尽くす山の桜が、ずっと咲いているのなら、

たしかに、これほど桜の花を恋しくは思わないでしょうね。

 

 

 

 

 

                                       わが行きは七日は過ぎじ龍田彦

              ゆめこの花を風にな散らし      高橋蟲麻呂

 

 

明日もまた、山の桜に逢いに行きます。

少し風が吹いてきただけで、

明日まで散らずにいてくれるだろうかと思うと、

なんとなく気持ちが落ち着きません。

まだしばらくは、風を吹かせないで下さいと龍田彦に祈るばかりです。

 

 

 

 

 

                                        い行き逢ひの坂のふもとに咲きををる

                          桜の花をみせむ子もかも   高橋蟲麻呂

 

 

一人では、とても贅沢な箕面の桜。

誰かにも、ぜひ見せてあげたいと思わずにはいられないほどです。

 

 

 

 

                                     世の中にたえて桜のなかりせば

                                                           春の心はのどけからまし   在原業平

 

 

一年に一度、わずか七日ほども咲いていてくれるかどうかの桜の花。

いっそ桜の花がなければ、春をもう少しは心安らかに過ごせるのに。

桜の花は、そこまで私たちを虜にしてしまっているのですね。

 

 

 

 

薄紅の霞漂う箕面の里山。

皆さまも、ぜひお出かけ下さい。

 

                               文・写真:渓川 清

 

 



2018.02.28 歳時記 〜風のたより〜 春浅き

風・・・感じていますか
足元に咲いている花に気がつきましたか
流れる時の中

ちょっと立ち止ってみませんか  

 

 

 

 

指先の冷たき朝の梅一輪 涼

 

 

                         箕面の里山にも、梅の花が咲きはじめました。

                         立春を過ぎても、まだしばらくは、
                         雪交じりの寒さが続いたこの春先。
                         ここへきて、あちらこちらの生け垣に、
                         花をつけた枝先が、
ぽつりぽつりと

             見え隠れするようになりました。

 

 

                          2018.2.28 滝道 梅屋敷
                         

            

             初春を告げる梅。
                         里山にも春が、ようやくにして、
                         訪れたようです。


 

梅一輪一輪ほどの暖かさ 嵐雪

 


                         梅の花が一つずつ咲いていくたびに、
                         きっと一つ、また一つと暖かさも
                         増えていくのでしょうね。

 

 

木より木に通へる風の春浅き 臼田亜浪

 

 

 


                         春を訪ねて滝道を歩いてはみたものの、
                         まだまだ冬の寒さが残る浅き春です。

                         それでも、野鳥や水鳥は、春の兆しを
                         いち早く感じているようでした。

 

 


 

                         新芽が吹き出しはじめた森の木々は、
                         まだ葉っぱを落としたままです。
                         その見通しのいい枝と枝との広がりに、
                         この時期でこそ、いろんな野鳥を

                         見ることができます。

 

 


 

 

                         早春の花が次々に開花していくにつれ、
                         野鳥の囀りも、もっと賑やかに
                         なっていくことでしょう。

 

 

 


沈丁の香に気づきふと立ち止まる 涼

 


                         沈丁花の香りがしたように感じました。
                         どこにあるのか、どこで咲いているのか。
                         でも、もうそろそろ、その時期なのですね。
                         花の香に、日々誘われる季節でもあります。

 

                                                                              2018.2.27 西江寺

                         

                          風冷たけれど、春はそこ・・・。
                          皆さまも、ぜひお出かけ下さい。

 

                                                                                                    文・写真:渓川 清

 

 

 

花花花花渓川 清の 「四季に遊ぶ 箕面の山の気まぐれ散歩」 のご案内花花花

            

                                    「風のたより」の渓川 清と一緒にのんびりお散歩しませんか。

             豊かな自然の中で育まれた里山の暮らしや文学、知恵などをご紹介しながら

             四季折々の箕面の山をご案内します。時を忘れる…そんなひとときを…

 

             第1回の春は、桜…桜…桜

             桜山桜桜江戸彼岸桜大島桜桜染井吉野…桜桜桜などなど

             桜見分け方は? 

             桜花咲爺さんに登場する桜って…?

             桜桜餅の葉っぱって…?  その匂いに秘密があるそうな。

             桜にまつわるあんなことやこんなこと。

             参加の方には、渓川 清作【桜のしおり 】(資料)をプレゼントします。

 

             

渓川 清の「四季に遊ぶ 箕面の山の気まぐれ散歩」

〜風のたより〜  『山の桜を愛でる』

 

             日   時:4月1日(日)  9時〜正午ごろ 小雨決行
                  *雨天中止の場合は、当日朝7時までにホームページに掲載します
             集   合:阪急箕面駅前  
             参 加 費:大人 300円 ・高校生以下 無料
                  *資料・保険代含みます。

                  *お子さまは保護者同伴でお願いします
                  *山歩きに適した靴でご参加下さい。
             持ちもの:飲みもの ・雨具など
             申込方法:3月25日までにこちらからお申し込み下さい。

                


 

 

 



2018.01.31 歳時記〜風のたより〜 雪まろげ

 

風・・・感じていますか
足元に咲いている花に気がつきましたか
流れる時の中

ちょっと立ち止ってみませんか  

 

 

 

              

 

大小の雪まろげ行きちがひけり 中田みづほ

 


                     週末の箕面の山は雪につつまれました。
                     ようやく日が射しはじめた頃、
                     滝道の雪も薄らぎ、人の靴跡にそろそろと

                     足を落としながらの散歩です。

 

 


                           

                      道すがら、いくつもの雪だるまに
                      出会うことができました。
                      子どもも、大人も、一緒になって、
                      雪をまるめては、その上にまたまん丸い雪を
                      乗せています。

 

 

 

 

                     うさぎのような雪だるまあり、
                     はたまたピカチュウの雪だるまあり。
                     雪で人影もまばらな滝道。
                     主役は雪だるまでした。

 

 

   

 

 

   

 

 

蝋燭のうすき匂ひや窓の雪 惟然

 

 

 

 

                     弁天様に続く雪の道。
                     参道の木々は、雪の重さをやはらかに
                     抱きとめています。
                     積もれる雪の真白き森、白くしだれる枝々。
                     お堂に線香を供え参道を振り返る時、
                     幻わされるような銀世界でした。
                     弁天様の妖気さえ、
                     そこにあるような気がしました。

 

 


 

しんしんと音聞こえけむ雪仏 涼

 

 

 


                      間もなく節分。
                      冬も終わるのですね。
                      冷たい森のかすかな風が、
                      でも、それは、
                      むしろ心地よく感ずる箕面の里山。
                      皆さまも、ぜひお出かけ下さい。

 

 

 

                                文・写真:渓川 清

 

 

   

 

 

  

 

 

 

 

 

 



2015.03.15 歳時記 風のたより

              風…感じていますか
         今朝…足元に咲いている花に気がつきましたか
         流れる時の中…ちょっと立ち止ってみませんか    
    風のたよりは、 『タッキー816みのおエフエム』(81.6MHz)で放送します。
       ★インターネット放送は、こちらから→ http://fm.minoh.net/

          放送日時:2015年3月27日金曜日 午後4時05分〜
       再放送日時:2015年3月30日月曜日 午前7時〜




      冴え返り冴え返りつつ春なかば  西山泊雲


      箕面の里山は、まだ春の陽気には
      届くことなく、かといってしみいるような
      寒が戻っているわけでもなく、冴え返りつつ、
      ゆっくりと春兆す流れに時をゆだねています。





      梅一輪一輪ほどの暖かさ  嵐雪


      紅梅に続いて白梅も花を開きました。
      一輪咲き、また一輪咲き、梅の花の数ごとに
      日増しに暖かさも増えていくのですね。
      梅の花の香りのように、
      春の気配もうっすらと、
      のかに忍び寄ってきます。





     
      紅梅の向こうの林にも、
      紅く色づく木の枝が見えました。
      紅梅と思って近づくと、
      それはもみじの梢でした。


      明るさに径うすれゆく芽吹山  能村登四郎  


      そう、今は木の芽時・・・。
      山肌が赤みを増しています。




                         -薺(なずな)-

      暮ぎはの白増すごとく花なづな  木内怜子


      勝尾寺参道の畔道には、
      たくさんのなづなの花がありました。
      若菜摘み、なづなを打ってお粥でいただいた
      あの季節から比べると、
      ずいぶんと暖かくなったと感じます。
      やはり、春は忍び足ですね。


      山茱萸に糸引く雨となりしかな  福永耕二


      麓の小道で、雨がぱらついてきました。
      雲が空を覆い、少しうす暗くなってきた
      その先に、まるで灯りを点したかのように
      あざやかな黄色い花がひろがっています。
      もう山茱萸の花が盛りを迎えているのですね。




                         -山茱萸(さんしゅゆ)-

      春深みゆく箕面の里山。
      皆様も、ぜひお出かけ下さい。





                  文・撮影:渓川 清



     〜風のたより、ラジオ放送終了のお知らせ〜

箕面の山パトロール隊 渓川清が毎週箕面の山を歩き
里山の暮らしやその中から生まれた美しい言の葉を紹介してきた「風のたより」は、
2006年4月5日に箕面の山パトロール隊のブログとラジオ同時にスタートしました。
隊のブログでは、写真と共に。タッキー816みのおエフエムの放送では、
ピアニスト村松健氏のピアノ「春の野をゆく」に載せて紹介してまいりました。
ラジオでの放送は、今回が最終回となります。
(3/27は、ピアニスト村松健さんと共に「風のたより」を紹介します。
 その様子は、後日、隊員ブログにアップします)

風のたよりのバックナンバーは、こちらをクリックして下さい。
風のたより  
風のたより 




 


2013.10.31 風のたより −暮れの秋−

                風…感じていますか
         今朝…足元に咲いている花に気がつきましたか
         流れる時の中…ちょっと立ち止ってみませんか    
     風のたよりは、 『タッキー816みのおエフエム』(81.6MHz)で
                                 放送しています。
  (インターネットでもお聞きいただけます。こちらから→ (http://fm.minoh.net/)



                    

         秋風のやや肌寒く吹くなべに

                        荻の上葉の音ぞかなしき      藤原基俊  古今集


寒露の後の、そぞろ寒がしばらく続いた後、
先週の霜降を過ぎたあたりから、やや寒となってきました。

皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
このところの、朝晩の様子は、
やや寒というよりも、すでに肌寒といった感じになってきました。

      肌寒き始にあかし蕎麦のくき  惟然



九月に入って色づきはじめた木の葉が、
厳しかった残暑に戸惑うように、
一旦その色づけを、とどめたようにも見えました。



このところの冷え込みで、
思いっきり色づけが進むかと思いましたが、
森の木々は、まだためらっているのでしょうか。

今のところ、紅葉は、少しくすんだ色に見えます。
秋の果て、山肌は、急ぎ足での模様替えとなります。




            わが触れて来し山の樹や秋深し  中村汀女


深まる秋、はじけ飛んだ柴栗が、山道にたくさん落ちています。
真中に膨らみのないぺちゃんこの栗ですが、
茹でると美味しく食べられるみたいです。

そういえば、お猿さんも、器用にいがいがを外して、食べているようです。

木の実といえば、大粒の団栗も山を歩けば、たくさん転がっています。


      どんぐりの坂をまろべる風の中  甲田鐘一路


あべまきの団栗が、橡の団栗よりも先に落っこちてくるみたいですね。

どちらも、よく似ていますが、よく見ると、
あべまきの団栗は、とんがりのところが少しだけへっこんだ感じです。

団栗独楽を作るとしたら、このあべまきか橡のどんぐりですね。


      行く秋や風白うして象あり  北原白秋


里山は、来週には立冬を迎えます。



冬近き箕面の里山。
皆さまも、ぜひお出かけ下さい。


2013.09.13 風のたより

                           風…感じていますか    
             今朝…足元に咲いている花に気がつきましたか
            流れる時の中…ちょっと立ち止ってみませんか    

           風のたよりは、 『タッキー816みのおエフエム』(81.6MHz)で
        放送しています。 (インターネットでもお聞きいただけます。こちらから→
                                                                 (http://fm.minoh.net/

 
<仙人草>
     
         
                   大阪に曳ききし影も秋めきぬ  加藤楸邨


気がつくと、影がずいぶんと延びています。

垣根までしかなかった藪椿の影は、
垣根を通り越して、歩道まで届くようになりました。
影の長さが、秋の長さなんですね。

皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

野山の佇まいが、あきらかに秋めいてきましたね。

そういえば、麓のもみじ葉楓・・・
もう既に、先端の方がうっすらと紅葉をはじめています。
この秋の紅葉は、少し早いのかもしれません。

桜の葉を見てみると、やはり色づきはじめていました。


             新涼の風韻きゐる風の中  藤田湘子


厳しかった残暑が去り、このところ、朝晩も、ひんやりとしてきました。
涼新たに、秋深みゆく今日この頃です。


<萩>


     萩の花咲きたる野辺にひぐらしの

            鳴くなるなへに秋の風吹く 詠み人知らず 万葉集


野を行けば、すでに満開の萩の花・・・

草冠に秋と書く萩・・・秋そのものの訪れですね。

麓では、辛夷(こぶし)や棗(なつめ)が実をつけ、馬刀葉椎の実も膨らんでいます。

野山では、栗の実がずいぶんと大きくなり、
葛も花をたくさんつけていました。


<葛>


     今落ちしばかりの葛は紅きかな  星野立子


葛の根っこは、里山では風邪の特効薬ですね。

虎杖(いたどり)も間もなく満開のようです。
虎杖も葉っぱを揉んで、傷口に塗り、
血止めや化膿止めとして、使われていました。

「痛い」のを取るから「いたどり」とも・・・

田んぼの稲穂は、頭を垂れはじめています。
里山では、稲刈りを待つばかりとなりました。

秋めく箕面の里山。
皆さまも、ぜひお出かけ下さい。


<釣鐘人参>

<棗>

<馬刀葉椎>

<栗>

<辛夷>

<菊芋>

<虎杖>

<稲穂>

<蒲>


歳時記   風のたより

      風…感じていますか
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   風のたよりは、 『タッキー816みのおエフエム』(81.6MHz)で
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こちらから→(http://fm.minoh.net/


<山桃>


    あぢさゐの藍を盗みに闇迫る  長谷川秋子


あじさいの花が麓の生垣を、色鮮やかに飾っています。

皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

梅雨の潤いをたっぷりと得て、
彩豊かなの花を開くあじさい・・・

学名は「ハイドランジア」・・・
「水の花」と名付けられています。
まさしく、雨に咲く梅雨の花なんですね。

江戸時代に、長崎のオランダ商館付きの医師として渡来した
シーボルトは、奥様の「お滝」という名をとって、
このあじさいを、「ハイドランジア・オタクサ」という学名で
ヨーロッパに紹介しました。

品種改良を経て、様々な色合いのあじさいが麓を飾ってますが、
山道で見ることのできる「こあじさい」は、
小さな小さな花がたくさん集まって、
とても可憐で美しいあじさいです。


<十薬>


さて、今、麓でも山道でも、路の傍らに、
真中に黄色いとんがりのある白い色の花をよく見かけます。
どくだみの花ですね。

黄色いとんがりが、どくだみの花です。
白い花びらのように見える部分は、
葉っぱが変形したもので、「苞(ほう)」といいます。

どくだみは、漢字で書くと、数字の「十」に「薬」・・・
里山では薬草として用いられ、生薬名も「十薬(じゅうやく)」です。
名の由来は、何にでも効く、あるいは、十の病に効くといわれ、
この名がつけられているようです。

葉っぱに特有の臭いがあるので、
「毒溜め」転じて「どくだみ」とも・・・


    十薬の香の夕暮れを跼みゐる  阿部みどり女


山道を下り、夕闇迫る麓の道を歩く時、
ふと芳香が漂っていることに気づきました。

そう、くちなしの花も開いているんですね。
くちなしが咲くと、そろそろ梅雨も終わりでしょうか。


    薄月夜花くちなしの匂ひけり  正岡子規


梅雨晴間の箕面の里山。
皆さまも、ぜひお出かけ下さい。


<灸花>

<藪枯し>

<赤芽柏>

<靭草>

<鼠糯>

<駒繫ぎ>

<梅>

<李>

<ろうばいの実>
<うつぎの実>
<蛇苺>

<しおから蜻蛉>

<羽黒蜻蛉>


2013.06.07 【歳時記】 風のたより

                                   風…感じていますか     
                   今朝…足元に咲いている花に気がつきましたか    
                   流れる時の中…ちょっと立ち止ってみませんか

         風のたよりは、
                    『タッキー816みのおエフエム』(81.6MHz)で
                                                                               放送しています。  
(インターネットでもお聞きいただけます。こちらから→(http://fm.minoh.net/


<卯の花>


                   卯の花の 匂う垣根に 時鳥(ほととぎす) 

                   早も来鳴きて 忍び音もらす 

                   夏は来ぬ                            佐佐木信綱


皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
山道は、 風薫る清々しさに包まれています。

卯の花が咲き、時鳥がやって来ると、
いよいよ夏そのものの訪れです。

卯の花が咲きはじめたのが、 五月の十日過ぎ・・・
丁度、その頃、最低気温が十度を超え、
時鳥の忍び音が聞こえはじめたのが、
五月の二十日頃・・・
その日、最高気温は二十五度を超えました。

万葉の昔から、 詠われ続けた卯の花と時鳥・・・
今も変わらず、 夏の季を告げてくれます。


<楝(おうち)《せんだん》>


                    楝(あふち)散る 川べの宿の  門遠く

                    水鶏(くいな)声して 夕月すずしき

                    夏は来ぬ


薄紫色に里山を飾っていた「あふち」の花も、
ずいぶんと散ってしまいました。

この「あふち」の花が散る情景も、
また、夏の歌として、 万葉の昔より、詠まれ継がれてきました。


                   我妹子に楝の花は散り過ぎず

                              今咲けるごとありこせぬかも  万葉集


人々の暮らしとともにあった 里山の木の一つです。
なぜか、和名は「せんだん」と 命名されていますが・・・

季節の幕を開けるように、 瀧道にも、いろいろな花がありました。
川辺を白く飾っているのは、 「ゆきのした」ですね。
葉っぱは、薬草として、お肌の病などに使われてきました。
春の山菜でもありますね。


<ゆきのした>

「どくだみ」の、真っ白いがくも 目につきはじめました。
十の薬と書くくらい、多くの薬効があり、
里山では、これも貴重な薬草でした。


<十薬>

龍安寺の「定家葛」も、今が盛りでしょうか。
ほのかに、芳香を漂わせています。


                     皐月闇 螢飛び交い 水鶏鳴き

                     卯の花咲きて 早苗植え渡す

                     夏は来ぬ


里山は、九日に旧暦の皐月を迎えます。

螢も飛びはじめた箕面の里山。
皆さまも、ぜひお出かけ下さい。



<定家葛>

文・撮影:渓川 清


2013.05.10 【歳時記】 風のたより

                       風…感じていますか
    今朝…足元に咲いている花に気がつきましたか
    流れる時の中…ちょっと立ち止ってみませんか

風のたよりは、『タッキー816みのおエフエム』(81.6MHz)で放送しています。
(インターネットでもお聞きいただけます。こちらから→(http://fm.minoh.net/


伊呂波紅葉


若葉からまつすぐに来る朝の風     桂信子


皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
五日のこどもの日に立夏を迎えた箕面の里山。
満開だった躑躅も、すでに色褪せてきました。
日中は、汗ばむこともありますが、
朝晩は、まだまだ冷え込んでいます。


藤波の咲く春の野に延ふ葛の
   下よし恋ひば久しくもあらむ

            詠み人知らず 万葉集



さて、箕面の里山では、藤の花が五月の風に揺さぶられ、
まさに波のように揺れています。
藤は、春の季語ですが、箕面の初夏を告げるのは、薄紫の色です。
ちょうど、立夏にさしかかる頃、
薄紫の藤と桐の花が、山肌と麓を飾ります。
山道を歩いていると、薄紫色の花びらが、あちらこちらに落ちています。
見上げると、茂みの間から、わずかに薄紫の花房が垣間見えます。
ずいぶんと高いところに咲いているんですね。



見晴らしのいいところまで辿り着くと、
向こう側の山肌をたくさんの薄紫の藤の花が飾っています。
谷沿いの道で、檜に絡まった藤の花を目の前で見ることができました。
控えめな色とほのかな香り、
その一房一房が梢をいっぱいに覆っていました。
麓の園芸種とは、また異なる、なんと品のいい佇まいでしょう。
藤の蔓は右巻きですが、山藤は左巻きなんです。



里山では、葉っぱや蔓、そして花を食用としてきました。
また、薬草としても利用されてきたんです。
藤蔓にできる「藤瘤」は、最近では、胃癌を抑える成分としても、
注目されているようですね。




藤波の咲き行く見れば霍公鳥
    鳴くべく時に近づきにけり

             田辺福麻呂 万葉集


藤が散り、そして、ほととぎすの声が聞こえはじめると、
いよいよ夏の到来を感じはじめます。

風薫る季節・・・
ぜひ里山へお出かけ下さい。

渓川 清


白藤

鎌柄



伊呂波紅葉



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